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椅らば大樹(17)    

ナイヤガラ瀑布

実は、私はナイヤガラの滝を都合5、6回、見に行きました。別段、近くに住んだことがあるというわけではなく、観光というだけの訪問ですから私としては不自然に多い回数で、自分でも理由がわからないのですが、言うならば「滝が呼んでいる」と言った事かもしれません。最初に行った時などはトクと見たいと思って3泊予約し、隣接のみやげ物屋もふくめてもう見るものが無いというぐらい見て回りました。

惹かれる理由らしき事として「不思議」ということがあります。私にとっての「滝」は神とも言えるような大深山の中から湧き出した水が下界へむかって落下する―言わば「神の出現」と言った事であって私たちはそれを下から仰ぎ見る、拝む、、、そういう図式になっているわけです。ところがナイヤガラは先ず後ろに山がない。私たちはその様子を甲子園の野球場でタイガースを観戦するように取り囲んで上から見下ろす。無論、なにがしか料金も払い、ソフトクリームなど舐めながらいたって商業的に、、、、宗教的にではなく「見物」するわけです。ここのところがどうにも不思議でなりません。

私としてはあたふたと周りを駆け回ってコトの真相を確かめないわけには行かないのです。

2009/12/31