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「倚らば大樹」-(27)

ベンガル菩提樹

ハワイ・ホノルルの都心部で見つけたベンガル菩提樹こと「バンヤン」の大木です。成長すると枝からツルのような根が垂れ下がり、地面に着くと地中に伸びて行きます。やがてそれ自体が樹化して別の木のように増殖、、、まことに不思議な姿が出現します。「気根」と言うのだそうですが、まさに存在感のある樹下空間を創りだしていました。この広場には「バンヤン・プラザ」と言う名前がついていて、言うなれば「寄らば大樹」的なイメージが愛されているということでしょう。
 「ベンガル菩提樹」のベンガルはインド北東部のことですから当然お釈迦さまがお悟りを開かれたと言う「菩提樹」はこの木だと思ってしまいましたが実はそうではありません。お釈迦さまのお悟りの木は「インド菩提樹」と言って丸きり別の樹だそうです。葉っぱがハート型で先端が釣り針のように細く曲がった形をしています。バニヤン樹の葉っぱは単純な楕円形で全然違いますが、両方ともイチジク科で実がなり、このベンガル菩提樹もインドでは神聖な樹木と言われているようです。ミルチア・エリアーデと言う世界的な宗教民俗学者?によれば古代インドの宇宙観は「さかさまに生えた樹木」と言う判りにくい話を読んだ記憶がありますが、ベンガル菩提樹を見ていると上やら下やら、横ですら判らぬ感じがして、何か関係があったのかも、、、と根拠のない連想が広がってしまいました。
一心寺に植えてみても面白いかもと思いますが、気候が無理のようです。

2012/03/13